【声優学入門】青野武氏が逝去──堀内賢雄さんとのコンビが印象的

声優の青野武さんが4月9日に亡くなりました。

私たちはまたひとり偉大な声優さんを失ってしまいました。心よりご冥福をお祈りします。

さて、青野さんといえば、wikipediaなどをみればわかるとおり、その出演作品は数えきれません。

個人的には、最近の出演作として『メタルギア・ソリッド』シリーズのキャンベル大佐が思い浮かびます。

▼下のイラストは『メタルギア・ソリッド2』の「大佐」(キャンベル大佐の偽物だが、声は青野さん)。「プラント編」の主人公・雷電の任務を無線でサポートする。

Img20120417003 また、先日のエントリーでも取り上げた『宇宙船レッド・ドワーフ号』でも、宇宙船のコンピューター「ホリー」役で出演されています。

▼画像は主人公のリスターとホリー。第1話「それは終わりから始まった」より。

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マニアックなところでは、『フルハウス』のジェシーのお父さん役も印象に残ります。

▼画像はジェシー(左)とお父さんのニック(右)。セカンド・シーズン「父の夢 息子の夢」より。

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新しい作品で青野さんの声を聞くことはできなくなってしまいましたが、DVDなどではいつでも素敵な演技を確認できます。

ちなみに、上で挙げた雷電・リスター・ジェシーの声はいずれも堀内賢雄さんです。 賢雄さんの演じるキャラクターを見守る役には、たいてい青野さんがキャスティングされているというわけです。

そんなことを考えながらあらためて作品を見直してみると、またちがった味わいが出てくると思います。

【死刑】自分が裁けば公平──『宇宙船レッド・ドワーフ号』

このブログでは、死刑反対の立場から、死刑を肯定する根拠を探っています。 その論理のひとつとして〈三角頭〉論というものを提案しました。 〈三角頭〉論は、ひとことで言えば、「裁くのは自分でなければならない」「自分が裁くなら正当化される」という考え方です。

これについてもう少し深く考察するために、今回はイギリス国営放送BBCのテレビドラマ『宇宙船レッド・ドワーフ号』を取り上げてみましょう。

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【死刑】なぜ法を守らなければならないか[パート4/5]──ギュリ(KARA)

昨日は、「何が大切で何が大切でないか」を見きわめることが重要であり、「価値には優先順序がある」ということがわかりました。

これについてさらに考察を深めるために、KARAのプロモーション用ビデオ(PV)を収録したDVD『KARA BEST CLIPS』を鑑賞します。

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『にゃんぱいあ-The Animation-』──意外なところで意外なキャスティング!?

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吉松孝博監督作品。売れとるなぁ、吉松さん。
最近も『SUPERNATURAL:THE ANIMATION』や『HUNTER×HUNTER』でその名前を目にしている。
で、キャスティングを見ると、
 小清水亜美 杉山紀彰 福山潤 後藤邑子 前田希美
……ん? 前田希美!?
おやおや……意外なところで、意外なお方がキャスティングされているではあーりませんか。しかも、これほどまでの人気声優陣に混じって、だと!?。
まえのんは、吸血コウモリの「毛利くん・小森くん」の一人二役。
実際、作品を観てみると、予想以上に違和感がないのに驚く。
とぼけた“芸風”が、役どころ、作品のテイストにピッタリ合っているにゃ。

【にゃんぱいあ-The Animation-】
監督:吉松孝博
出演:小清水亜美 杉山紀彰 福山潤 後藤邑子 前田希美
[DVD]フォロンティアワークス ¥1680

『24 -TWENTY FOUR- シーズン7』──情を引きずらないから心に残る

『24』シリーズは、理不尽、不条理が次々と登場人物に襲いかかる物語だ。

しかし、シリーズも7作目ともなると、心まで喪失したかに見える主人公ジャック=バウアーには、もはや失うものは何もなく、どんなに困難な状況に追い込まれても、〈過酷な試練〉にはなり得ない。

だから、その残酷な運命は、シーズン7のヒロインともいうべきFBI捜査官のルネ=ウォーカーが負う。

思わずルネ捜査官に感情移入、同情をしたくなっても、制作者は余韻を残さず次々と事件を起こし、情を引きずることを許さない。

だからこそ、視聴者の心の中に、彼ら・彼女たちの〈悲哀〉が燻り続ける。

『24』シリーズは、法を犯す者(犯そうとする者)が手痛いしっぺ返しを喰らう話だ。たとえ合衆国大統領であろうと例外ではない。法を守ることでどんな犠牲を払うことになろうともだ。もちろん本シーズンでも、この原則は頑なまでに踏襲されている。

『あらびき団 第2回本公演』──笑いのインフレに注意

いつの間にか、楽しんご♡氏がメジャーになっていましたね。

ただ、笑いのインフレ率というはすさまじく、消費のしすぎは寿命を縮めることにつながるので注意したいところ。

その意味で、「トツギーノ」を、いわば株価の上昇中に売り抜けたバカリズム氏はご慧眼と言えましょう。

以上は、このDVDの内容とはあまり関係ありません(パカリズム氏は出ていないし)。

『第1回本公演』に比べると、全体的におもしろかったかな、というのが感想です。

(敬称未省略)

『裏ホラー』(DVD・ネット)──女性が“汚される”ことへの嫌悪と憧憬

ホラー・プロデューサーの一瀬隆重氏が仕掛けた新感覚の恐怖。『ほんとにあった呪いのビデオ』などのように、〈幽霊〉が落とし所でないところが新しい。

では、『裏ホラー』で恐怖のエッセンスとなっているものはなにか。それは、女性が“汚される”“壊される”“犯される”ことへの嫌悪と憧憬である。

大きな白い紙を1枚敷いたようにきれいに降り積もった雪の上をドカドカと足跡をつけてみたくなる衝動。美しく咲いた花を「折りたくなってしまう」気持ちを自分の中に発見する恐怖。

これが『裏ホラー』の恐怖のエッセンスである。

その観点からあらためて各エピソードを見直してみると、「ストーカー」はそのものズバリだし、「襲われたアイドル」もわかりやすい。「呪いの祠」「スプーン曲げ」「幽体離脱」「飛び降りる女」「手を振る女」は、本来“そうなる”のは男でも十分成り立つはずなのだが、『裏ホラー』においては、女性でなければならなかったのだ。

「謎の肉玉」は、一見すると法則から外れるように思えるが、上記の観点を念頭におけば、“女性の一部”を弄んでいるように見えてくるだろう。

ただ、制作者がどこまで上記のエッセンスを自覚していたかは疑問だ。「トシオさん」のラストは、カメラがもっと近くに落ちるべきだったし、「念写」で写るのは若い女性のほうがよりよかっただろう。

もちろん、『裏ホラー』の見方は性別によっても異なるにちがいない。女性は「こんな目に会うのは嫌だ」と思い、男は「こんなことがあってはいけない」と思いながら「もっとやれ」という邪念も抱く。

ホラー作品において、幽霊や怪物に襲われるのは、たいてい若い女性だ。それは「おじさんが怖がってるのは見たくない」という理由もあるが、美しいものが汚されることへの嫌悪と憧憬がホラーの重要な要素になっているからでもあるのだ。