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今野晴貴『ブラック企業 日本をくいつぶす妖怪』──ブラックなのは「会社」ではなく「社会」
「ブラック会社」という“概念”は、一般的にも認知度が高まり、問題意識を持つ人も多くなっているかと思います。 しかし、世の中には「ブラック会社」と「ブラックでない会社」があり、前者を非難追究する、という態度に陥りがちです。 […]
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『アクションゲームサイド』Vol.A発売!──ゲームをより楽しむためにレビューを書こう![番外編]
自分の好きなゲームについて熱く語るゲーム雑誌『アクションゲームサイド』Vol.Aが12月3日に発売されます。 これは『ゲームサイド』に掲載されたアクションゲームの記事を集めたものです(新作記事もあり)。 ぎゃふん工房は〈 […]
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斎藤貴男『私がケータイを持たない理由』──やっぱりここらで立ち止まって考えたほうがいいよな
ケータイを持たないと公言しているか、「たぶんこの人は持っていないだろうな」と想像できる人がいて、斎藤貴男氏も後者のひとりでした。 斎藤氏はジャーナリストであるからして、そして新書の体裁として、本書では“社会的な”考察がな […]
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大橋悦夫『「手帳ブログ」のススメ』──具体的な活用法をもう少しちょうだい
現在、本職の仕事のほうで「手帳術」のムックを制作しています。 さまざまな手帳の専門家に取材をしていると、手帳はスケジュール管理や備忘録としてだけでなく、〈自己実現〉〈自己発見〉のための道具として使っている人が多いことがわ […]
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貴志祐介『悪の教典』(上)(下)──絵に描いたような貴志ワールドは嬉しいかも
このブログでは、貴志祐介を「心の闇を描く作家」と勝手に決めつけています。 で、前回読んだ『新世界より』には、あまり「心の闇」が出てこなかったのが残念だったと書きました。 満を持して『悪の教典』ですが、もうタイトルが示して […]
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貫井徳郎『乱反射』──読後にどう受け止めたらよいか困惑する
とある幼児の死──それは人々のちょっとした自己中、身勝手さが招いた悲劇だった。 「自分の行為によって人が死ぬかもしれない」など、誰も思っていない。 その意味で誰にも責任はない。 でも、その中のひとりでも、もうちょっとだけ […]
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国家を作ろうとするものが暴力的であるのは必然である──大田俊寛『オウム真理教の精神史―ロマン主義・全体主義・原理主義』
オウム真理教が異世界からやってきた侵略者たちではなく、あくまでわれわれの社会から生まれたものであるならば、その根拠もまたわれわれの社会にあるはずだ。 ──と考えたのは17年前。一連の事件が起こっているときでした。 では、 […]
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『地震イツモノート』──防災対策は“気づき”のゲーム
地震対策は、運否天賦のギャンブルではなく、愚図から滑り落ちていく、“気づき”のゲームである。 これが当ブログの考えです。 本書は、その“気づき”の参考になるでしょう。 理屈めいた御託は述べずに、ただひたすら被災者(東日本 […]
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石持浅海『Rのつく月には気をつけよう』──これまた「推理ショー」の見事な舞台装置
「推理ショー」を行なうための魅力的な舞台装置を用意する。その手腕は他の追随を許さない。 このブログでは石持作品をそう評してきた。 今作は、ご多分に漏れず「推理ショー」が堪能できるわけだが、何か事件が起こるわけじゃない。気 […]
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鈴木光司『エッジ』──角川ホラー文庫で出さなければ…
角川ホラー文庫である。にもかかわらずまったく怖くない。 「ホラー文庫だから怖くなければいけない」などとケツの穴の小さいことはいいたかないが、しかしところどころに「おっ、怖くなってきたぞ」と感じさせる部分があるだけに始末が […]