【死刑】なぜ法を守らなければならないか[パート4/5]──ギュリ(KARA)

昨日は、「何が大切で何が大切でないか」を見きわめることが重要であり、「価値には優先順序がある」ということがわかりました。

これについてさらに考察を深めるために、KARAのプロモーション用ビデオ(PV)を収録したDVD『KARA BEST CLIPS』を鑑賞します。

今回取り上げるのは、特典ディスクに収録されている「REAL GIRLS TALK」です。メンバーたちがPVを見ながら、撮影当時の思い出や映像の見どころを語るという趣向になっています。

『KARA BEST CLIPS』

ひととおりPVを見終わったあと、ひとりずつそれぞれの曲のキーとなる振り付けを実践しようということになり、ギュリ姉さんは、「Honey」という曲を担当します。ちなみに、ギュリはKARAのリーダーです。

『KARA BEST CLIPS』

実際に踊り始めると、手の動きが逆であることをメンバーに指摘されてしまいます。

『KARA BEST CLIPS』

それに対し、ギュリ姉さんは「鏡バージョン」を演じただけ、などと言い訳します(繰り返しますが、ギュリはリーダーです)。

『KARA BEST CLIPS』

メンバーから「鏡バージョンではなく、正式なバージョンを」と頼まれ、再度チャレンジします。

『KARA BEST CLIPS』

すると、なぜかギュリ姉さんはマイクを持つ格好で踊っており、再度メンバーからダメ出しされてしまいます。

『KARA BEST CLIPS』

ギュリ姉さんは「ステージで間違えなければいい」と反論します(くどいようですが、ギュリはKARAのリーダーです。メンバーからも「お姉さん」と呼ばれています)。

『KARA BEST CLIPS』

一見すると、いや実際にギュリ姉さんは苦し紛れに上のように言ったのだと思いますが、よく考えると含蓄のある言葉のように思えてきます。

要するに、「何が大切で何が大切でないか」ということです。

ステージで間違わないことが肝心であり、この場がグダグダになることは、たいした問題ではない。物事には優先順序がある。そう、ギュリ姉さんは言いたいのです。

乗りかかった船で、もう少し先まで映像を確認してみましょう。

ギュリ姉さんが「Honey」のダンスを諦めてしまったので、スンヨン姉さん(KARAのナンバーツー)が「ミスター」の振り付けに挑戦します。しかし、やはりメンバーにダメ出しされてしまいます。

『KARA BEST CLIPS』

『KARA BEST CLIPS』

スンヨン姉さんは、やけっぱちになり、乱暴に踊ったあと、「知らない」などと言って、不貞腐れてしまいます。

『KARA BEST CLIPS』

『KARA BEST CLIPS』

ギュリ、スンヨン、ふたりのお姉さんがあまりに不甲斐ないため、ニコルが振り付けのポイントを解説し始めます。

『KARA BEST CLIPS』

では、ここで「Honey」のPVを検証してみましょう。

『KARA BEST CLIPS』

動画で見ても、正直どこが違うのかわかりませんでした。ひょっとすると、メンバーにしかわからない違いなのかもしれません。ここでも「振り付けを間違うことなどどうでもいい」というギュリ姉さんの正しさが確認できます。

一方で、「とはいえ、一般視聴者の見るDVDなのだから、やはりきちんと踊らなければダメだろう」という反論も成り立ちます。

そこで、さらに考察を進めてみると「ここできちんと踊っただけでは、単にダンスを披露するだけだが、わざと間違うことでその場にいるメンバーの気分も盛り上がり、見ているほうも楽しい」、つまりDVDの娯楽性を高めることにつながるのではないか、と考えることもできます。

KARAは、楽曲、歌唱、ダンス、衣装、演出が緻密に計算され尽くされたグループであると評価していましたが、こんなところにも「計算」が働いていたのです。

「何が大切で何が大切でないか」「価値には優先順序がある」の観点からいえば、一般的には「きちんと踊ること」のほうが優先されるが、今回の場合は、「間違うこと」のほうが価値が高いといえるわけです。

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