『24 -TWENTY FOUR- シーズン7』──情を引きずらないから心に残る

『24』シリーズは、理不尽、不条理が次々と登場人物に襲いかかる物語だ。

しかし、シリーズも7作目ともなると、心まで喪失したかに見える主人公ジャック=バウアーには、もはや失うものは何もなく、どんなに困難な状況に追い込まれても、〈過酷な試練〉にはなり得ない。

だから、その残酷な運命は、シーズン7のヒロインともいうべきFBI捜査官のルネ=ウォーカーが負う。

思わずルネ捜査官に感情移入、同情をしたくなっても、制作者は余韻を残さず次々と事件を起こし、情を引きずることを許さない。

だからこそ、視聴者の心の中に、彼ら・彼女たちの〈悲哀〉が燻り続ける。

『24』シリーズは、法を犯す者(犯そうとする者)が手痛いしっぺ返しを喰らう話だ。たとえ合衆国大統領であろうと例外ではない。法を守ることでどんな犠牲を払うことになろうともだ。もちろん本シーズンでも、この原則は頑なまでに踏襲されている。

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