新聞の役割──〈アジェンダ・セッティング〉プチ講座 2010.10.30 経済・政治・国際 早稲田大学教授で憲法学者の水島朝穂先生が、ケータイやネットに依存する若者(学生)を批判し、「新聞を読め」と主張されています(10月25日更新の「直言」)。そのなかで、解剖学者・養老孟司氏による、新聞は「社会の空気を感じる社会の窓」であり、「見出しや写真の大きさによってニュースの大小がわかる」のが
『アバター〈特別編〉』──3D劇場で体感したのは〈立体感〉よりも〈重量感〉 2010.10.24 映画・テレビ おことわり:筆者は“通常版”を見逃してしまったので『アバター』は初見です。“Based on the movie by HAYAO MIYAZAKI”というクレジットがいつ出るのかとヒヤヒヤしたが、それは杞憂に終わった。ジェームズ=キャメロンの3D映画といえば、ユニバーサル・スタジオ・ジャパ
『BIOSHOCK2(バイオショック2)』──ほんのちょっとがとっても大事 2010.10.16 ゲーム 『天空の城ラピュタ』のラスト、パズーとシータがラピュタを離れるとき、パズー視点で、誰もがその存在を忘れていた「ロボット」の歩く様子がちらりと映るカット。『キャンディキャンディ』の主題歌で、♪なきべそなんてさよなら ね! の「ね」。仮に、これらが存在しないまま作品が世に出たとしても、傑作であっ
『欲望のゆくえ 子どもを性の対象とする人たち』──する側とされる側の「正義」の均衡点はどこにあるか 2010.10.16 書籍・雑誌 「子どもを性の対象とする人たち」を情動的に非難追及するだけの内容を想像していたのだが(そしてそんな本はあんまり読みたくないなあと思っていたのだが)、著者自身も「性の対象」とされた“被害者”でありながら、“加害者”に対する視点はきわめて冷静沈着だ。大学で法学を学ぼうとする者が、教科書の最初のページ
モモちゃん引退(;ω;) 2010.10.10 書籍・雑誌 元「ピチレモン」モデルの大山桃子さん(モモ)が引退するそうです。「ピチレモン」卒業後もブログが残っていたので、芸能活動は続けるのかなと思っていたのですが、学業に専念ということになったようです。「ピチモの生テレビ」では『もしドラ』(『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読
春橋哲史『疫病惑星を封鎖せよ』──空想科学の〈ワクワクドキドキ〉に浸れる本格正統派SFストーリー 2010.10.02 書籍・雑誌 春橋氏の前作をこのブログでレビューしたのは2005年。実に5年の歳月をかけて練り込まれた超大作だ。前作は、ディティールの描写に重きが置かれていた(ように思われた)が、本作では細部の説明は抑えられ、そのぶん読者が行間を読み〈空想する余地〉が増えた。「伝染病によって多数の死者が出る」という凄惨な物