『トゥモロー・ワールド』(映画)──“長回し”という、ありふれた手法がリアリティを作り出す 2007.07.16 映画・テレビ 現実の紛争地帯にカメラを持ち込んで、この映画で描かれるような戦闘を撮影したとしても、スクリーンに映し出される映像がリアリティを持つとは限らない。リアリティとは、あくまでも観る者の感覚に依拠するからだ。映画の制作者たちは、だから、いかに観客の感覚に訴える「リアリティ」を作りだすかということに腐
『300<スリーハンドレッド>』(映画)──戦闘の迫力はCGで実現しているわけではない 2007.07.01 映画・テレビ 映画を観る前にアレコレ情報を入れない主義だから、CGを多用して、血が吹き出る、首がすっ飛ぶの大騒ぎを描くだけの作品かと思ったら、これが意外にも、知的で繊細な格闘映画なのであった。その秘密は、物語の前半が、「なぜスパルタ軍が強いのか」という理由を説明するためだけに費やされているからである。だか