「ほんとにあった怖い話」(テレビ)──「ほん怖クラブ」は「ほんとうに怖い話」を和らげる役目を担っている

オリジナルビデオ『ほんとにあった怖い話』シリーズは、大人向けのホラーである。

それに対して、このテレビドラマ版は、「再現ドラマ」の合間に、「ほん怖クラブ」なる子供たちが「ホラー男優」の稲垣吾郎とともに「再現ドラマ」の解説を行う趣向で、子供向け番組のように思える。

しかしながら、「再現ドラマ」の部分は、オリジナルビデオ同様の本格派で「ほんとうに怖い」作品に仕上がっているのである。

それはオリジナル版と同じ鶴田法男が(一部を除き)演出を手がけているということもあるだろう。

いずれにせよ、子供には「怖すぎる」のはないかと思うのだ。

当初は、この「ほん怖クラブ」は蛇足であり興ざめではないかと感じていた。

しかし、回数を重ねるごとに、「ほん怖クラブ」はその尋常でない恐怖感を中和する役割を担っており、夜7時台のテレビ番組としてはバランスが取れているのではないかと感じるようになった。

果たして制作者がそこまで意図しているかはわからないが。

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

CAPTCHA


おしらせ

現在は〈ぎゃふん工房の作品レビュー〉gyahunkoubou.comにて更新しています。

こちらの記事もどうぞ

  1. 買っちゃった! 平成ガメラシリーズのBlu-ray

  2. お正月は暇なので「戦争と平和」について考えてみた──2日目:『サイレン』

  3. まだまだお正月気分が抜けないので引き続き「戦争と平和」について考えてみた

  4. 春橋哲史『太陽系を縦断せよ』(本)──往年の本格SFの匂いが漂う本書は<物語>ではなく<ディティール>を読め

  5. 『レベルE』──見た目は違和感があったがストーリーの面白さがそれを打ち消してくれた

TOP