『ファインディング・ニモ』(映画)──CG技術に頼ってない

奇しくも『ディー・プルー』に引き続き、海で暮らす生き物たちを題材にした作品の批評となった。

かたやドキュメンタリー、かたやCGアニメ。両極端の方向性を持った2作品ながら、目指すところは同じだ。

つまり、映像としていかに魅力的に見せるか、映画としていかに面白く作るか。

映画作りにおいて、素人でも知っている当たり前のセオリーを2作品の制作陣は強烈に意識しているということだ。

『ファインディング・ニモ』で言えば、世界トップレベルのCGの技術を映すだけでも魅せることはできただろう。

しかし、スタッフはそれだけを拠り所としない。

練り込まれた脚本、小気味のよい演出、魅力あふれる登場キャラクターたち。

実写だとか、CGアニメだとか、製作費がいくらかかったとか、どんな役者が出演しているかとか。もはやエンターテイメント作品を語る際にそんなものは瑣末な要素にすぎない、と思わせるほどのパワーを持った作品である。

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

CAPTCHA


こちらの記事もどうぞ

  1. 『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:全記録全集』を買っちゃった

  2. 『リミット』──観てるこっちが息苦しい

  3. 【死刑】殺人をさせてはならない──〈三角頭〉論と〈国家機能限界説〉

  4. そういえば半疑問形?のしゃべりかた?をする人?っていなくなった気がする?

  5. 『トゥモロー・ワールド』(映画)──“長回し”という、ありふれた手法がリアリティを作り出す

TOP