後藤真希『シングルVクリップス(1)』(DVD)──やってることは派手なのに表情は淡泊

「ごっちんは、ナチュラルなところが魅力」と言ったのは、確か杉作J太郎氏であった。これはなかなか卓見だと思う。

そう。まさにナチュラル。自然な演技。というより無表情。やってること(演出)はけっこう派手でセクシーなのに、表情は淡泊なのだ。計算高くないというか。その意味では松浦亜弥なんかとは対極に位置していると言えよう。

もちろん、これらはあくまで映像面での話あって、ボーカル(音)に関しては、以前にも述べたように、豊かな表現力を見せつけて(聞かせて)くれている。

とはいえ、最後の「原色GAL 派手に行くべ!」では、「あれ? これほんとうに後藤真希?」と思ってしまうほど、それまでのPVとは違った顔を見せる。「松浦亜弥になった」「演技ができるようになった」というよりも、なんとく大人っぽく、(いい意味で)いきなり歳をとってしまった感じなのだ。

判断材料がこれ1曲しかないのでなんとも言えないが、今後この方向に進んでいくのであれば、それはそれで歓迎したいところだ。

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