倉木麻衣のアルバムを買ったのは、『If I Believe』以来、約9年ぶりとなる。
昔なじみに久しぶりに再会した。そんな心境だ。
かつての歌声は「ウィスパー・ボイス」といえば聞こえはいいが、悪く言えば声が内にこもる感じがあった。
楽曲もよく、歌唱力も劣っているわけではないだけに、もったいないと思っていた。
時を経て、“小娘”が“アラサー女”となり、より〈円熟味〉を増した今。
「内にこもる感じ」は、〈貫録〉となり、神々しささえ身にまとっている。
アルバムの購入の直接のきっかけは、『名探偵コナン』のタイアップ曲「Your Best Friend」であったが、アルバムで聴いてみると、同じ楽曲でありながら、受ける印象はまったく異なる。
テレビ版が「友達に話してる」ように歌っているのに対し、アルバムは、すべてを超越した神の視点から、この世の真実、ことわりを語っているような気がする。
音が、言葉が、すっと心に染み渡る。
その想いは届いてるよ
胸の奥に響いているよ
「Your Best Friend」のサビの部分は、まさにこのアルバムのことを歌っている。
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