『300<スリーハンドレッド>』(映画)──戦闘の迫力はCGで実現しているわけではない

映画を観る前にアレコレ情報を入れない主義だから、CGを多用して、血が吹き出る、首がすっ飛ぶの大騒ぎを描くだけの作品かと思ったら、これが意外にも、知的で繊細な格闘映画なのであった。

その秘密は、物語の前半が、「なぜスパルタ軍が強いのか」という理由を説明するためだけに費やされているからである。

だから、普通なら「こんなのあり得ないっしょ」と思うことでも、つい納得してしまう──いや、観ている最中も、荒唐無稽な敵が出現して、「そんなバカな」とは思っているのだけれど、段階を踏んでいるから、妙に説得力があるのだ。

戦闘の迫力を、カメラワークよりもむしろ編集の鼓動で実現するというのがこれまた慧眼。CGがどうたらこうたらというところに目を奪われていると、虚を突かれてしまう。

そのいい意味での裏切りがまた秀逸だったりするわけだ。

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