松室麻衣ちゃんのdreamにおける最後の晴れ舞台……という時点で、すでに涙腺はゆるんでいる。初めから“涙”が約束されている。だから、やっぱり泣いた。2002年で一番泣いた。最後の30分間は涙が止まらなかった。
なぜ泣けちゃうのか、なぜ涙が流れるのか、なんてことはほんとはどうでもいいのかもしれない。だが【作品批評】をうたったブログは非情だ。冷静に論理的にその情動の本質に迫らなければならない。
涙の正体は、悲しみではない。彼女たちの仲間を想う心。自分たちを支えてくれた人々を想う真摯な心に触れたからだ。
優ちゃんは言う。「なんかこの曲も今の状況に合ってる」。それもそのはず。麻衣ちゃんの詞が紡いでいる“世界”は一貫している。だから当然といえば当然なのだ。
麻衣ちゃんの詞は、常に「自分」と「他人」の関係性に対するあくなき追究であった。「他人」がいるから「自分」がいる。決して「他人」に依存することなく、「自分」を確立することがこの世界を成り立たせる。 麻衣ちゃんにとって、最も身近で大切な「他人」が2人であろう。その関係性をこれまでで最も明確な形で、まさに体を張って提示したのがこのライブであると言える。
2人が麻衣ちゃんに贈った「手紙」もいいが、卒業シングル「SINCERELY〜ever dream〜」を歌い始めたとき、2人が麻衣ちゃんに寄り添っていくところが最大の感動シーンだ。
今後も折りを見てはこのDVDを鑑賞しようと思う。素敵なことがまだまだこの世に残っている、ということを思い出すために。
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