西澤保彦『殺す』──どうしてこんなトリッキーなことするのかなあ

……というのが読後の感想(ファースト=インプレッション)。

女子高校生の連続殺人事件。発見される遺体はすべて全裸。性的暴行の痕跡はないが、なぜか靴下だけが全員持ち去られている──。

全体のテイストは絵に描いたような警察モノ、オーソドックスな推理小説。『収穫祭』と比べれば強引さはあまりないので、「犯人の動機は?」「真犯人は?」といった疑問を惹きにした、ふつうのミステリーとして十分読めるものになっています。

それなのに、なぜか“イカれた警官”という要素が入ってきて、物語に妙な色がついているのがこの作品の特徴です。

そこが西澤保彦らしさ、ということでしょうか。

「どうしてこんなトリッキーなことするのかなあ」は今回の場合は非難ではなく、賛辞として受け取っていただければと思います。

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

CAPTCHA


おしらせ

現在は〈ぎゃふん工房の作品レビュー〉gyahunkoubou.comにて更新しています。

こちらの記事もどうぞ

  1. 『光の雨』(映画)──事件を客観化して本質に迫ろうという狙いはわかるが

  2. 「もしドラ」の編集者・加藤貞顕氏がデジタルコンテンツのプラットフォームを構築中

  3. 【字幕実況】アーシャといっしょにモンスターワールドIV[16]

  4. 春橋哲史『太陽系を縦断せよ』(本)──往年の本格SFの匂いが漂う本書は<物語>ではなく<ディティール>を読め

  5. 安室奈美恵『Uncontrolled』──ダウンロードでなくCDを持っておきたい

TOP