……というのが読後の感想(ファースト=インプレッション)。
女子高校生の連続殺人事件。発見される遺体はすべて全裸。性的暴行の痕跡はないが、なぜか靴下だけが全員持ち去られている──。
全体のテイストは絵に描いたような警察モノ、オーソドックスな推理小説。『収穫祭』と比べれば強引さはあまりないので、「犯人の動機は?」「真犯人は?」といった疑問を惹きにした、ふつうのミステリーとして十分読めるものになっています。
それなのに、なぜか“イカれた警官”という要素が入ってきて、物語に妙な色がついているのがこの作品の特徴です。
そこが西澤保彦らしさ、ということでしょうか。
「どうしてこんなトリッキーなことするのかなあ」は今回の場合は非難ではなく、賛辞として受け取っていただければと思います。
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