ロシアン・レッド『フエルテベントゥーラより愛をこめて』──ひと足はやく春の兆しを感じさせるギターの調べ

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スペインのシンガー・ソングライターなのに「ロシアン・レッド」という名前で、歌っているのは英語だ。
まさに「音楽に国境はない」を地でいくCDアルバム。
しかも、「タランティーノ」などというタイトルの楽曲もあり、タランティーノといえば、もうあの人しか思い浮かばないわけで、ボクたちの感性との親和性も高い。
年の瀬も押し詰まり、寒波も襲来するなか、ひと足はやく──いや、ふた足も十足も早く〈春〉を届けてくれる一枚だ。
つくづくギターって〈季節〉を表現できる楽器なんだなあと思う。
ただ惜しいのは、ボーカルにエコーがかかりすぎている(加工しすぎている)感じがあることだ。
せっかくの太陽の暖かさを感じさせる楽曲でありながら、カーテンで遮られてしまったような居心地の悪さも覚えてしまう。
もっとボーカルの力強さを信頼し、自然な感じに仕上げたほうがよかったのではないか、とは思う。

【フエルテベントゥーラより愛をこめて】
ロシアン・レッド
ソニー・ミュージック
¥2310

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