【ヱヴァ】旧世紀版の3号機には誰の魂?

8月26日(金)日本テレビ系「金曜ロードショー」にて、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破 TV版』が放送されます。

今回はそれに便乗して、ちょっとした「ヱヴァ」ネタをお送りしましょう。ただし、ここで語るのは15年前の旧世紀版のお話。でも、ちょっち「新劇場版」のネタバレを含みます。

テーマは「3号機には誰の魂が入れられているか」という問題であります。

エヴァの“謎解き”の参考書としては、北村正裕『エヴァンゲリオン解読 そして夢の続き』(三一書房/静山文庫)という名著がありますが、そこでは「3号機にはトウジの妹の魂が入っている」という説が提示されています。

その主な根拠は、

  1. シンジのクラスメイト全員に母親がいないかどうかには確証がない。
  2. エヴァに入れられる魂は、搭乗者にとってかけがいのない女性で、死亡が予想され、もしくは陰謀によって殺害されても事故死に見せかけられる状況にある女性である。
  3. トウジはエヴァに搭乗するまで妹に会っていない。

などです。

言うまでもなく、「エヴァ」はほとんどの場合、観る人によってさまざまな解釈が可能な作品ですから、この北村説を完全に否定することはできません。

「エヴァ」が一部分において、とてつもなく残虐な作品である(それゆえ完結編である「映画」の物語が味わい深いものになっている)という観点からいえば、北村説は大いに支持したいところです。

しかしながら、ここからが「新劇場版」のちょっちネタバレなのですが、『破』には、トウジの妹の退院シーンが入っているのです(画像参照)。

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』

そもそも新劇場版において「エヴァには誰かの魂が入れられている」という説そのものを保留する必要があるのですが、この「トウジの妹の退院シーン」を「旧世紀版」に(むりやり)関連づけると、以下の2とおりの解釈が可能です。

  1. 「旧世紀版」の3号機にはやはりトウジの妹の魂が入っていたけど、「新劇場版」では違うよ、ということを強調している。
  2. 「旧世紀版」の3号機にはトウジの妹の魂が入っていたという解釈もあるけど、実際には違うよ、ということを強調している。

ところで、「旧世紀版」の「第参話 鳴らない、電話」では、脚本段階ではトウジのセリフが

「うちンとこ、お父んもお母んも研究所勤めやろ」

となっていたものが、完成したフィルムでは、

「うちンとこ、お父んもおじんも研究所勤めやろ」

に変更されています。

北村説は、「シンジのクラスメイト全員に母親がいないかどうかには確証がない」という点を根拠にしていましたが、制作スタッフの意図としては、少なくともトウジには母親がいないという設定になっているのではないかと解釈できます。

となると、やはり「旧世紀版」の3号機にはトウジの母親の魂が入っていた、という解釈が自然のような気もします。

もちろん、その解釈のほうが自然であることは北村氏も認めていることであり、また先に述べたようにさまざまな解釈が可能な問題ですから、決着は永久につきません。

まあ、ここで言いたいのは、「旧世紀版」では生死不明だったトウジの妹の元気な姿が新劇場版で見られてよかったよかった、ということであります。

[追記]トウジの妹は続編である『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』にも(けっこう重要な役で)登場しています。

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