21世紀になれば、宇宙ステーションに人々がとっくに移住しているのかと思ってた。月にもスペースシャトルでバンバン行き来しているのかと思ってた。仮にそこまでいかなくても、その兆しくらいはあるのかと思ってた。
現実にはもちろんそこまでいっていない。
だから異星人が地球にやってきて人類と出会う、というのは夢の膨らむ楽しい想像だ。
しかしながら、それがいくらわれわれの“夢”であっても、「現実に」起こっているとはとうてい考えられない。少なくともそれを裏付ける証拠は存在しない。夢は夢、現実は現実。そこはきっちり分けねばなるまい。
本書のそれぞれ副題は「さらばUFO」「UFO神話の破滅」。そう。UFO報道の欺瞞を暴いた本である。
“UFO肯定派”への反論が具体的な事実をもとにきわめて論理的かつ冷静に行われる。そこに疑問をはさむ余地はない。人々はいかに怪しい情報に惑わされやすいか。
ことはUFOだけにとどまる問題ではない。大切なのは事実を見極める目を養うこと。そのことを再認識させてくれる。
[追記]著者は『ニュートン』の寺門和夫さんです。
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