3Dゲームのたしなみかた

工房が所蔵するソフトのなかでは『レジスタンス3』と『アンチャーテッド 砂漠に眠るアトランティス』が3D対応ゲームとなっています。
ところが、これらのゲームをクリアするまでに、工房の3D視聴環境が整っていなかったため、3Dモードではきちんとプレイしていません。
〈これじゃいかん、宝の持ち腐れだ〉
ということで、現在『レジスタンス3』を週に30分ぐらいずつではありますが、ゆっくりじわじわたしなんでいるところであります。
ただ、3Dモードと通常(2D)モードはそれぞれどう楽しんでいけばいいのか、という戸惑いもあります。
それほど両者には大きな違いがあるのです。
3Dモードにすると、いうまでも立体感が出るわけですが、これによってゲームの映像の意味が変わってきてしまうのです。
そのことを理解するために、少し脱線して『バイオハザード4』の話をします。
このゲームでは、ハンドガンやショットガンなどの武器、それぞれの弾薬、手榴弾などをアタッシュケースに収納します(新しい武器を入手するたびにケース内を整理するのも楽しみのひとつです)。
状況に応じてアタッシュケース画面を開き装備を変えたりして戦っていきます。
ロケットランチャーも含めた全装備を詰め込んだアタッシュケースとなると、とてつもなく巨大なサイズになるはずです(映画『コマンドー』のシュワちゃんのようになるはず)。
ですが、プレイ画面では、主人公・レオンはアタッシュケースなど持っていません。
にもかかわらず、「おい、アタッシュケースはどうした?」と突っ込む人はいません。ネタとして文句をつける人はいるかもしれませんが、プレイヤーはそんなことは気にしないのが普通です。
つまり、ここではゲームの〈抽象化〉が行われているわけです。
では、続編の『バイオハザード5』ではどうでしょうか。
『4』のアタッシュケースのシステムは廃止され、武器選択画面はあるものの、所持している武器は、基本的にプレイ画面上のキャラクターが持っています(装備していない武器は背中に担いでいます)。
『5』では、『4』とは異なり、武器に関して、〈抽象化〉ではなく〈具象化〉が行われているわけです。
『レジスタンス3』のようなゲームの場合、2Dモードでは、画面上に描かれているものは〈抽象化〉され、「本当は存在しないけど、そこにあるもの」とみなして楽しんでいるわけです。
しかし、3Dモードにすると〈具象化〉され「本当に存在するもの」のように見えます。
しかしながら、実際に存在しないことは脳が理解しています。そのため、では目の前にあるものは何かという疑問が無意識に生じます。
そこで、脳は「人形のようなものがそこにある」とみなします。
2Dゲームと3Dゲームをプレイする感覚がまったく違うというのはそういうことです。
キャラクターが「人形のよう」に見えることは良いのか悪いのか、という価値判断をすることに意味はないでしょう。
人形だろうが何だろうが、「そこにあるもの」がこちらに向けてレーザービームを発射してくると、2Dゲームとは全く異質の恐怖感・爽快感を味わえます。
といったわけで、3Dゲームのたしなみかたは、初見は2Dで、2週目以降を3Dでプレイする、といった楽しみ方が適当なのではないか、というのが現時点での結論になります。
ただ、3D対応ゲームそのものは主流となっていないようなので、まだまだ過渡期という観は否めません。

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