「もしドラ」の加藤氏のサイト「cakes」が想像していたのとちがう

8月29日のエントリーで紹介した、「もしドラ」の編集者として知られる加藤貞顕氏が立ち上げたサイトがスタートしています。
●cakes(ケイクス) https://cakes.mu
加藤氏のインタビューを読むと、紙や電子書籍に対する認識が私と似ていたので、立ち上げる前から少し期待していたのですが、いざフタを開けてみると、想像していたサイトと違うものでした。
といっても、人間が違うのだから、想像といっしょでなくて当然なのですが(一致したら気持ち悪い)、腑に落ちないものがあるのも確かです。
「クリエイターと読者をつなぐサイト」というキャッチフレーズから、漠然とニコニコ動画の「電子書籍」みたいなものを考えていたのですが、まったくもって勝手な想像だったようです。
当初想像していたのは、一般の書き手がどんどんサイトに投稿し、それを読者が自発的に(サイト側からの「編集者」的なしかけなしに)支持していくというものです。ニコニコでは動画やイラストではこれが行われていますが、小説などの文字ものはまだ実現していません(いずれ機が熟すと見ていますが)。
現在のcakesのサイトは、いわばウェブマガジンみたいなもので、既存のサイトとの違いがよくわからないのです。従来の紙の雑誌や単行本、ウェブサイト、ブログ、ツイッターなども、この伝でいけば「クリエイターと読者をつなぐ」メディアであることに変わりはありません。
現在、ぎゃふん工房では電子メディアとしての「小説」を制作中です。しかし、これをどのように配信すればよいかが課題となっています。
そんな個人的な事情もあって、cakesには期待していたのですが、現在のところ、こちらのニーズを満たしていないといえます。
もちろん、サイトの内容が端にも棒にも掛からないものだというわけではありません。全部ではありませんが、読みたいコンテンツもちらほら見かけます。ですから、ウェブマガジンとして考えるなら、別に悪くはないと思います(未だ購読者にはなっていませんが)。
しかし、今のところ硬直したネット界に風穴を開けるサイトとは、必ずしもいえないのではないか、という気がします。

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