『コワイ女』(映画)──〈完成度〉は高いが〈満足度〉が低いワケは……

全体的にけっして出来が悪いわけではない。まったく無名な監督が作ったものであったなら、「なかなか新しい感覚のホラー監督が登場したぞ」と、かつて「片隅」「4444444444」を見たときのように、カルチャーショックと嬉しさを覚えたに違いないのだが、雨宮慶太(「カタカタ」)、豊島圭介・清水崇(「うけつぐもの」)監督のもっとコワイ別の映画を知っているため、どうしても「こんなの当たり前」→「満足度が低い」ということになってしまう。

その中にあって、「鋼」はなかなかの意欲作で、他の2本に比べれば満足度が高い。

原作たるゲームの『サイレント・ヒル』にあり、映画の『サイレント・ヒル』には入れ込むことができなかった〈エロティシズム〉が、こんなところで実現されているようで興味深い。

ただ、惜しむらくは、どこまでいっても日本映画で、どうしても「自主映画」感が漂ってしまうところだ。

現代日本を舞台にすると、知に足がついた感じが出てしまい、〈虚構性〉が低下する。これが、ずっと昔の日本、あるいは外国、あるいはまったく別次元のファンタジーの世界であれば、この作品の持つ異様な雰囲気が生きたであろう。

実に惜しい。

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

CAPTCHA


おしらせ

現在は〈ぎゃふん工房の作品レビュー〉gyahunkoubou.comにて更新しています。

こちらの記事もどうぞ

  1. 情報を集めない──ゲームをより楽しむためにレビューを書こう![5]

  2. 『バタフライ・エフェクト』(映画)──ありふれたテーマなのに最上級の娯楽作品に仕上げた手腕に脱帽

  3. 【実況プレイ:ディープフィアー】#07〜#08が出来ました

  4. 『リミット』──観てるこっちが息苦しい

  5. 「サラメシ」──食欲よりも“のぞき見”の欲望を満たしてくれる職業紹介番組

TOP