『渋谷怪談』『渋谷怪談2』(映画)──『呪怨』にゆかりのある監督だからといって物真似はいけない

予想以上に“怖い”仕上がりになっている。ということは、日本のホラーの本流に位置する作品ということであるが、キャラクター造形、恐怖演出の面から見て、どうしても「これじゃ『呪怨』だよ」という思いは拭えない。

『呪怨』のことは『呪怨』に任せておけばいいのであって、わざわざ別の作品で『呪怨』をやることはない。

あえて相違点を探すとすれば、登場人物の存在感、息遣いといったものが『呪怨』に比べて地に足が付いている感じがすることだろう(というより、『呪怨』はそういうものをあえて排そうとしているわけだが)。

その相違点をもっと意識的に強調していれば、作品の個性がもっと出てきたはずだ。

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

CAPTCHA


こちらの記事もどうぞ

  1. 『アンチャーテッド 黄金刀と消えた船団』(ゲーム)──リアルなグラフィックなのに〈おバカな世界観〉がポイント

  2. 小説の参考にするため横浜の洋館に行ってきました

  3. 『ブラインドネス』(映画)──他の作品が避けてきた描写に真摯に取り組んだ姿勢を評価したい

  4. 憲法は〈国家〉が本来持つ力をわれわれが押さえ込むための“呪縛”

  5. 『名探偵コナン 銀翼の奇術師』(映画)──ハリウッド映画ではおなじみの「スリル、ショック、サスペンス」を『コナン』風に味付け

TOP