Hunger is the best sauce.(空腹は最高の調味料である)
まさに4年間の“空腹”だった。 “空腹感”に耐えきれずに、あきらめてしまった者。 あるいは、ほかの“ご馳走”に手を出してしまった者。 そういう者たちには、この『Destiny/LOVE-1』の真価は味わえない。
待ち焦がれ、身を焦がし、憔悴しきった者だけが享受できる至福がある。
十代にして真実に到達してしまった少女の行き着く先は、“転向”か“終焉”か。
そんな多くの予想に反して、4年ぶりに姿を現した“真実の伝道師”は、以前と少しも変わりなく、いや、ほどよく肩の力が抜けて、より高度な境地に達していた。
歌唱力が衰えるはずもなく、発信される世界観に揺らぎはない。
ボーカルの力に全幅の信頼を置いた編曲も、生の楽器の調べが疲れた心と体にしみわたる。 空腹は最高の調味料である──。
それは、後ろ向きに考えれば、どんなまがいものの料理でも美味しく感じてしまう、ということかもしれない。
この『Destiny/LOVE-1』は、そうではない、と断言してもよいのだけれど、今はただひたすら“復活”を祝い、渇きをじっくり癒すことに専念しよう。
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