安倍麻美『wishes』(CD)──アイドルによる歌謡曲の歴史を継承した一枚

これは珍しい。何かと言えば「歌が下手なこと」である。

最近は昔と違って、アイドルと言えど、それなりに“聞かせる”ものだが、ここまで「下手」と評価できる例はとても珍しい。「お姉さんに歌ってほしかった」と思わせる楽曲がいくつもある。

となると、このCDは やっちまったかと言えば、そうではない。

そのへんは、アイドルの楽曲を書かせたら天下一品の筒美京平だけあって、“聞かせる”メロディーが満載である。アレンジもいい。

ようするに「歌が下手」という、アイドルによる歌謡曲の歴史を正しく受け継いでおり、その意味で正当派のCDアルバムだったのである。

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

CAPTCHA


おしらせ

現在は〈ぎゃふん工房の作品レビュー〉gyahunkoubou.comにて更新しています。

こちらの記事もどうぞ

  1. BON-BON BLANCO『BEAT GOES ON』(CD)──dreamとBON-BON BLANCOの奇妙な関係──極めて私的なもの

  2. 『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:全記録全集』を買っちゃった

  3. もうすぐクリスマスだから『NiGHTS』の「Dreams DREAMS」を聞こう!

  4. 大橋悦夫『「手帳ブログ」のススメ』──具体的な活用法をもう少しちょうだい

  5. 『トゥモロー・ワールド』(映画)──“長回し”という、ありふれた手法がリアリティを作り出す

TOP