橘玲『大震災の後で人生について語るということ』──世界は大震災の前から変わっていた

この日本では、3.11を境に世界が変わった──というフンイキが漂っています。

たしかに、これまで社会が抱えていた矛盾、齟齬、暗部が、瞬間的に、如実に、広範囲にわたってわれわれに突きつけられた、という意味では、その「フンイキ」を否定するつもりはありません。

しかしながら、考えてみれば当たり前のことなのですが、3.11よりも前に世界はずっと変化し続けていたわけで、決して“ふってわいた話”というわけではありません。

とはいうものの、「では世界はどのように変わりつつあったのか」を検証することは、なかなか壮大なテーマです。

橘玲氏の新著『大震災の後で人生について語るということ』は、その検証作業を行なうための、よい参考書になることでしょう。

ここに書かれている主張は、橘氏がほかの著書ですでに述べていることで、目新しいものではありません。それはすなわち「3.11よりも前に世界はずっと変化し続けていた」ことの証明でもあるわけです。

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

CAPTCHA


おしらせ

現在は〈ぎゃふん工房の作品レビュー〉gyahunkoubou.comにて更新しています。

こちらの記事もどうぞ

  1. 【声優学入門】なぜゲームは日本語吹き替え版にすべきか──深作欣二監督が語る

  2. 【カクスコ名言集】「ごちゃごちゃ考えるっていうのは、何も考えないのと同じ」

  3. 石持浅海『耳をふさいで夜を走る』──今回の推理の対象は殺人ではない

  4. 『屍鬼』(アニメ)──魂を吹き込まれ甦った者の哀しみも蘇る

  5. 『THE JUON/呪怨』(映画)──シリーズのファンとしては複雑な心境の作品

TOP