橘玲『大震災の後で人生について語るということ』──世界は大震災の前から変わっていた

この日本では、3.11を境に世界が変わった──というフンイキが漂っています。

たしかに、これまで社会が抱えていた矛盾、齟齬、暗部が、瞬間的に、如実に、広範囲にわたってわれわれに突きつけられた、という意味では、その「フンイキ」を否定するつもりはありません。

しかしながら、考えてみれば当たり前のことなのですが、3.11よりも前に世界はずっと変化し続けていたわけで、決して“ふってわいた話”というわけではありません。

とはいうものの、「では世界はどのように変わりつつあったのか」を検証することは、なかなか壮大なテーマです。

橘玲氏の新著『大震災の後で人生について語るということ』は、その検証作業を行なうための、よい参考書になることでしょう。

ここに書かれている主張は、橘氏がほかの著書ですでに述べていることで、目新しいものではありません。それはすなわち「3.11よりも前に世界はずっと変化し続けていた」ことの証明でもあるわけです。

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