『フォーガットン』(映画)──結末はけっして“どんでん返し”ではない

あははは。

本作品のレビューをネットで検索してみると、出るわ、出るわ、非難の嵐。まあ、あの“転換”のさせかたは、腹を立てる人がいても不思議ではない、というのは認めるけど。

この作品の宣伝や批評をする際、よくシャマラン監督の作品が引き合いに出される。シャマラン作品は、たしかに“最後のアッと驚く大どんでん返し”が特徴と言えるかもしれない。だが、本作品は違うのではないか。少なくとも監督は意図していないのではないか。主人公は物語の中盤で真相が「アレ」であることに思い至るし、あとから考えれば、思わせぶりなカメラワークも立派な伏線だった。

映画館の予告編を見る限りでは、なるほど本格サスペンスを思わせるのだが、あるブログが指摘していたとおり、テレビCMではややネタバレをしていた。宣伝する側も、監督の「実は結末はけっして“どんでん返し”ではない」という意図を反映させたのではないか、と想像できる。

個人的には、鑑賞の途中で「ネタ」に気づき、あとはこれをどう旋回させていくのか、そしてどう着地させるのか、ということに興味が沸いていた。多くの人を怒らせ困惑させた、あの「ドーン!」も十分楽しませてもらったというわけだ。

とはいえ、“どんでん返し”を受け入れながらも、いや受け入れるがゆえに、オチのつけかたが平凡であることに、不満を抱いてしまう。もっと遊んでほしかったな。

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