『ディープ・ブルー』(映画)──「自然のありのままの姿」でないところが良い

海で暮らす生物たちの姿を捉えたドキュメンタリー……というだけなら、子供のころ教育番組か何かで目にしているはずだし、大人になってからも同種の番組が放映されているのを見ているはず。

しかし、この作品は何かが決定的に違う。

「製作7年、撮影フィルム7000時間、ロケ地200カ所」。費やした金と時間がケタ違い、ということはもちろんあるだろう。

だが、それだけではない。

たとえば、シャチに襲われるアシカの子供たちのシークエンス。

シャチの犠牲になる子供と必死に陸へ向かう子供。両者が同じ画面に収まり、劇的な構図を作り出していたりする。

当然、編集のテクニックもあるだろうし、場面を盛り上げる音楽もある。その意味で多分に「作為的」だ。

つまり、自然のありのままの姿を垂れ流すことよりも、「映像としてどう見せたら面白いか」ということに労力が注がれている。

そこがこの作品の核心である。

とはいえ、被写体に“演技指導”などできるはずもなく、スクリーンに映し出されるのが「自然のありのままの姿」であることもまた事実。

とにかく全編「え? 何これ? どうやって撮ったの? CGじゃないの?」という場面が連続する。ただただ圧倒されるばかりだ。

One Reply to “『ディープ・ブルー』(映画)──「自然のありのままの姿」でないところが良い”

  1. ナレーションも必要最小限に抑えている作品ですが、「日本語吹き替え版」で観てしまいました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA