小野不由美『屍鬼』(書籍)──ゲーム『サイレン』の何倍も怖いホラー小説

三方が山に囲まれ外界との接触をほとんど断っている村。土葬にした死者が墓から「起き上がり」、村人を襲う──。

「なんだ、これでは『サイレン』(プレステ2ソフト)ではないか?」と声を上げるも、もちろんゲームの方がこちらをヒントにしている。

とはいえ、文庫本全5冊にわたり描かれる「屍鬼」と人間の戦いの迫力はゲームとは比べ物にはならない。この小説を読めば、ゲームの方は戯れ言、子供のママゴトにすぎなかったことがわかる。

文庫本一冊を費やしてその息遣いを丁寧に描いた村人たちがことごとく「屍鬼」にすり替わっていく恐怖はただごとではない。

いつしか登場人物における「屍鬼」の比率が人間のそれを上回わったところで描かれる「屍鬼」の苦悩や悲哀はゲームでは表現されていない。

無論だからといって、ゲームの方が作品として劣っているというわけではない。『サイレン』をプレイした人もそうでない人もぜひ一読を。

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

CAPTCHA


おしらせ

現在は〈ぎゃふん工房の作品レビュー〉gyahunkoubou.comにて更新しています。

こちらの記事もどうぞ

  1. 怪談を作ったので読んでみた1「ポタポタ」

  2. 奥田英朗『最悪』(本)──小石を積み上げた「砂上の楼閣」が崩れ去る快感

  3. 『センパイ・秘密の恋』コミック版が発売♪

  4. 「ほんとにあった怖い話」(テレビ)──「ほん怖クラブ」は「ほんとうに怖い話」を和らげる役目を担っている

  5. え? 『バイオハザード オペレーション・ラクーンシティ』ってクソゲーなの!?

TOP