『龍が如く OF THE END』──歓楽街で遊んでいる暇がない

東日本大震災の影響で発売が延期され、3か月後に届いたパッケージには「がんばろう、日本!」の文字が……。

売上の一部が義援金として寄付されるらしいから、この「日本」はわれわれの住む現実の「日本」かと思っていたら、じつはゲームの世界の「日本」なのであった。

──というのは、半分冗談ではあるけれど、『バイオハザード』の「ラクーンシティ」ではなく、もしも日本の東京の新宿に〈ゾンビ〉が現れたら? というリアルシミュレーション的世界観は趣深い。

ゾンビと戦いながら、歓楽街でパチスロ・射撃場・キャバクラで遊ぶって、なかなか斬新な発想ではないか。

つまり、「ゾンビ発生」のような“大災害”が起こっても、〈日常〉は続いている、ということなのだ。

ただ、その“歓楽街での大人の遊び”を満喫するほど、こちらは暇ではないので、どうしても本流のゾンビ退治のほうに没頭せざるを得ず、本作品の魅力を100%堪能できなかったのは残念だ。

シューティングゲームとしては大味な部分もあるけれど、ゾンビをパシパシと撃っていく作業には、原始的な喜びを覚えるし、楽しい。

まあ、ゲームの基本は押さえている佳作と言えるだろう。

[追記]『龍が如く』シリーズはサブストーリーこそが“メイン”のコンテンツであることに、このときは気づかなかった。

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