『思い出のサンフランシスコ』(舞台)──「敵」同士として引き裂かれてしまった家族の悲劇

麻生美代子・高島雅羅・藤田淑子・鈴置洋孝。これらの名前を見てピンと来た人は、私と同じように、映画を日本語の吹き替えで見る人に違いない。

そう。声優さんが役者として舞台に登場する人気シリーズの最新作だ。

コメディを基調としながら、然るべきところでは涙を誘う。この「笑わせながら泣かせる」という高度なエンターテイメントを楽しめるところがこの鈴置劇団の魅力だ。

1980年代、とある炭坑で暮らす家族の物語。戦前にアメリカに渡ったおばさんがこの家族のもとへ帰ってくる。アメリカ人になったおばさんと、戦争の「敵」としてそれを許さなかった家族たちの苦悩。

そもそも人を「敵」か「味方」か区別することが間違いなのだ。

その大いなる間違いが現実の世界で進行している。

日本の「敵」とされたイラクの人々の前に自らが立ったとき、正々堂々とひとりの人間として対峙できるかどうかが問われている。

【思い出のサンフランシスコ】2003年3月26日27:28~ 27日27:28~/日本テレビ系「劇場中継」で放映

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