『バイオハザード オペレーション・ラクーンシティ』──シリーズ屈指の強敵が目白押しだからこそ難しくておもしろい

〈あのラクーンシティでまた戦える!〉

「バイオハザード」シリーズのファンにとって、これはひとつの〈夢〉でありましょう。物語の背景を熟知しているからこそ、作品への感情移入度も高まるというもの。

もちろん実際は〈悪夢〉──だったわけですが。

おなじみのクリムゾン・ヘッドが20体ぐらい容赦なく襲いかかってきたり、ハンターに囲まれてなぶり殺しにされたりするなど、〈悪夢〉以外のなにものではありません。

まさに未知の存在への恐れではなく、知っているがゆえの恐怖といった趣。

ですから、こういった難所では、初見クリアはほぼ不可能で、何度か試行錯誤を繰り返し、活路を見出していくことになります。

だからこそ、そこを突破した達成感もひとしお。

シリーズの原点回帰というよりも、“ゾンビもの”本来の恐怖を再現しているとみることもできるでしょう。

もちろん、全編とおして難しいのではなく、ようは射撃の爽快感が楽しめる部分、丁寧に敵をさばいていかなければならない部分の緩急のつけかたが絶妙で、シューティングゲームとしてはなかなかの佳作といえます。

個人的にはオンラインゲームは好みではないので、オフラインで、プレイキャラクターや武器をいろいろ変えて同じステージを繰り返し遊ぶ、といった楽しみかたになりそうです。これでは、このゲームの魅力を半分しか堪能できないかもしれませんけど。

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

CAPTCHA


こちらの記事もどうぞ

  1. 「館長 庵野秀明 特撮博物館 ミニチュアで見る昭和平成の技」に行ってきました

  2. 『サイレン ニュートランスレーション』(ゲーム)──傑作ホラーゲームの背景に見え隠れする“さびしさ”

  3. 『ジェームズ・キャメロン 世界の終わりから未来を見つめる男』──「天才」とは何をどのように“努力”することなのか?

  4. お正月は暇なので「戦争と平和」について考えてみた──最終日:藤子・F・不二雄「宇宙船製造法」

  5. 『叫』(映画)──もし幽霊がいるとしたらこんな感じ

TOP