佐藤義和『バラエティ番組がなくなる日』──テレビってそんなに大切なの!?

2011年2月8日『読売新聞』の社説「地デジ完全移行 残された半年間で万全を期せ」でこんな記述がありました。

テレビは、災害情報から娯楽番組まで多彩な情報を提供し、国民生活になくてはならないメディアである。

高画質の映像や様々なサービスが楽しめ、視聴者のメリットも大きい。

テレビは新聞のライバルというイメージがあったのですが、『読売新聞』はずいぶんと地デジ時代のテレビに期待を寄せておるな〜、と思いました。

このブログでは、「そもそもテレビって見なきゃいけないものなの? 見るものがなければ『ニコニコ動画』を見りゃいいじゃん」など、自分の人生において、もはやテレビの比重がかつてより下がりつつあることを述べてきました。

しかし、これは

「期待しなければ裏切られることもない」
「〈孤独〉という親友を味方につければ寂しくなることはない」

といった人生哲学から必然的に導き出される“道徳法則”であって、ほんとうはおもしろいテレビ番組があるなら、積極的に観たいと思っているのです。

世間ではこれを〈ツンデレ〉と言います。

だからこそ、DIGA(ディーガ)を大枚はたいて買ったのです。ほんとうにテレビというメディアに失望しているなら、こんなものはいらないのはずです。

といったところで、この『バラエティ番組がなくなる日』です。

著者は、「THE MANZAI」「オレたちひょうきん族」「笑っていいとも!」を生み出した元フジテレビ・プロデューサーの佐藤義和氏。ダウンタウン、ウッチャンナンチャンを育てた人でもあります。

私はまさにこれらの番組を見て育った世代であり、もちろん佐藤義和氏の名前も当時から知っていました。だからこそこの本を手にとったわけです。

なぜ、最近テレビ番組がつまらないのか。つまらないと自分は感じているのか。ほんとうにつまらなくなっているのか、それとも年齢とともにテレビに対する興味は失われていく宿命なのか。

その謎が解けるのではないかと思い、読み始めました。

そもそも、これまでのバラエティ番組の長い歴史のなかで、ひな壇に座らされて、爆笑をとったお笑いタレントなど私は見たことがない。お笑いタレントだから、どこへ出ても視聴者を笑わせられるだろうという発想自体が間違っているのだと思う。当人も違和感を感じてはいるのだろうが、笑わすことを期待されているのだからと笑いをとろうと必死になる。その一生懸命さがしらけを誘うことすらある。

『バラエティ番組がなくなる日』

こんなふうに「ああ、なるほど。だから、最近のテレビはつまらないのか」と関心する部分もあります。制作者たちのおかれている現状や、制作者自身の気質の問題も語られていて、このあたりは、テレビ番組がどうこうというより、現代の若者論、労働環境論として読むこともできます。

個人的には、報道番組やドラマには、もはやほとんど期待していませんが、お笑いやアニメにはまだ可能性があると思っています。

私のようにバラエティ番組に未来を見出している人には一読をおすすめしたい本です。

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