藤本美貴『MIKI(1)』(CD)──このコは見た目ですごく損をしている

……という言葉は、たいてい不美人の方に言うものだが、藤本の場合は逆。「かわいすぎる」のだ。なんでこんな顔でこんな歌い方してんの?と戸惑ってしまうほど、容姿と歌に大きな隔たりがある。誰だって、絵に描いたような「アイドル」然としたアルバムだと思うだろ、フツー。もちろん、そういう楽曲も含まれているが、全体的なイメージとしては小悪魔……いや蠱惑魔か? たとえば、ごまっとうの「SHALL WE LOVE?」は、後藤真希と同じようにソロバージョンを藤本も歌っているのだが、まきりんの「寂しくないよ」が実は文字面とは反対に「寂しい」という気持ちが込められているのに対し、藤本は言葉通りの意味(「どうせ、次の人を見つけるもん」みたいな)だったりする。この「アイドル」と「小悪魔」との間を行き来することができるところが、ま藤本の魅力と言えるだろう。

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

CAPTCHA


おしらせ

現在は〈ぎゃふん工房の作品レビュー〉gyahunkoubou.comにて更新しています。

こちらの記事もどうぞ

  1. 「館長 庵野秀明 特撮博物館 ミニチュアで見る昭和平成の技」に行ってきました

  2. 『C』──後出しジャンケン的な世界観の開陳が惜しいかな

  3. 【心霊】映画『感染』に写った少女の霊の正体は!?

  4. ついつい見入っちゃう「すイエんサー」

  5. 松浦亜弥『松浦シングルMクリップス1』(DVD)──“女狐”がその正体を見せたとき真の恐怖が始まる

TOP