鈴木光司『エッジ』──角川ホラー文庫で出さなければ…

角川ホラー文庫である。にもかかわらずまったく怖くない。

「ホラー文庫だから怖くなければいけない」などとケツの穴の小さいことはいいたかないが、しかしところどころに「おっ、怖くなってきたぞ」と感じさせる部分があるだけに始末が悪い。

鈴木光司といえば『リング』。これも角川ホラー文庫であったが、まったく怖くなかったことを思い出した。

〈鈴木光司=角川ホラー文庫=怖い〉という先入観を持ってしまったこちらが悪いのかもしれない。

また、作者自身も「ホラー」に重きをおいていないのだろう。あくまでSF的な理屈をこねるのが目的のようにも思える。

であれば、「ホラー」でない普通の「角川文庫」でよかったのではないか。

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

CAPTCHA


おしらせ

現在は〈ぎゃふん工房の作品レビュー〉gyahunkoubou.comにて更新しています。

こちらの記事もどうぞ

  1. 『叫』(映画)──もし幽霊がいるとしたらこんな感じ

  2. AKB48『ギンガムチェック』──ま、なんだかんだでトップクラスの楽曲だと思う

  3. 『キル・ビルvol.1』(映画)──タランティーノ映画はいつの間にか「日本映画」になっていました

  4. 死刑否定論者が考える「死刑肯定論」──『ジョジョの奇妙な冒険』にみる殺人に対する〈裁き〉

  5. 〈アジェンダ・セッティング〉とは〈世界の果て〉のことかもしれない

TOP