鈴木光司『エッジ』──角川ホラー文庫で出さなければ…

角川ホラー文庫である。にもかかわらずまったく怖くない。

「ホラー文庫だから怖くなければいけない」などとケツの穴の小さいことはいいたかないが、しかしところどころに「おっ、怖くなってきたぞ」と感じさせる部分があるだけに始末が悪い。

鈴木光司といえば『リング』。これも角川ホラー文庫であったが、まったく怖くなかったことを思い出した。

〈鈴木光司=角川ホラー文庫=怖い〉という先入観を持ってしまったこちらが悪いのかもしれない。

また、作者自身も「ホラー」に重きをおいていないのだろう。あくまでSF的な理屈をこねるのが目的のようにも思える。

であれば、「ホラー」でない普通の「角川文庫」でよかったのではないか。

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

CAPTCHA


おしらせ

現在は〈ぎゃふん工房の作品レビュー〉gyahunkoubou.comにて更新しています。

こちらの記事もどうぞ

  1. 押井守『これが僕の回答である。1995-2004』(本)──「アニメ」だけでなく「人生」の作り方も書いてある

  2. ぎゃふん工房の“ニューアルバム”『ぎゃふん』第3号リリース!!

  3. 『インセプション』──物語や設定の独創性ではなく映画のたたずまいを凡庸にしたところがよい

  4. 『輪廻』(映画)──清水崇の最新作は《並列的恐怖》ではなく《直列的恐怖》だった

  5. 【実況プレイ:ディープフィアー】パート23お待たせしました

TOP