国家を作ろうとするものが暴力的であるのは必然である──大田俊寛『オウム真理教の精神史―ロマン主義・全体主義・原理主義』


オウム真理教が異世界からやってきた侵略者たちではなく、あくまでわれわれの社会から生まれたものであるならば、その根拠もまたわれわれの社会にあるはずだ。

──と考えたのは17年前。一連の事件が起こっているときでした。

では、具体的に〈根拠〉とは何か。

これが永らく謎であったわけですが、そのひとつの答えがこの本にありました。

本書はオウム真理教の〈精神〉を近代国家の成り立ちの視点から読み解くものです。

当ブログとして、大ざっぱにまとめてしまうなら、オウム真理教は〈国家〉を作ろうとして失敗した。〈国家〉は際限のない暴力装置である。だから、オウム真理教は暴力的でことは必然である──ということになるかと思います。

もちろん、これではあまりに乱暴なまとめかたなので、ぜひ本書を読んでみなさん自身でこの問題に取り組んでほしいと思います。


“国家を作ろうとするものが暴力的であるのは必然である──大田俊寛『オウム真理教の精神史―ロマン主義・全体主義・原理主義』” への2件のフィードバック

  1. 添え状様
    ありがとうございました。
    また機会がありましたらコメントをいただけるとうれしいです。

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