前作『アンチャーテッド 黄金刀と消えた船団』は、名実ともにPlayStation3ソフトの中で頂点に立つと断言できる。これを超えるのはやはり『アンチャーテッド』でしかあり得ないのか──。
と書き始めたところで、「ちょっと待てよ」と思う。
「超える」とか「超えない」とか、もはやどうでもいいのではないか。
前作に大なり小なり〈穴〉があり、それを埋めたところで初めて「超える」ことができるわけだが──。
前作に〈穴〉なんてあったか? いや、ない。
本作は前作からは何も変わっていない。変える必要がないからだ。そして、そのことを制作陣はよく心得ているにちがいない。みずからの創造物に対する絶大の自信がうかがえる。これは敬意に値しよう。
まさに期待を裏切らない、想像したとおりの“ワクワク感”が堪能できる。
強いて、前作とのちがいを挙げるとすれば、〈人間ドラマ〉が強化されたところかもしれない。
これは多分に日本語版スタッフ、とくに声優陣の貢献度が大きいが、「人間を描く」という点において、ほかのゲームを軽く凌駕している。
ゲームの登場人物は、もちろんコンピューターが描き出したものであり、実在はしないわけだが、「もし現実にいたとしたらこんな感じの人物」といった〈存在感〉の表現は尋常でない。
主人公・ネイト役の東地宏樹さんは言うまでもないが、軽薄なようでいて、しかし人生の先輩、トレジャーハンターの師匠としての貫録も表現するサリー役・千葉繁御大にはただただ感服するしかない。
もちろん千葉先生ひとりが突出しているわけではなく、他のキャラクターも全員主役を張れるベテラン・中堅クラスの声優であり、全員が本作の世界を盛り上げていることは言うまでもない。
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- 『アンチャーテッド 砂漠に眠るアトランティス』──こんなにおもしろいゲームを作っちゃダメ!
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