石原都知事が尖閣諸島を購入──地方自治体は〈安全保障〉の主体となりうるか?

東京都知事の石原さんが、尖閣諸島の一部を都が買い上げる意向を表明したことで、物議を醸しているようです。
〈国がやらないから都が一肌脱ぐ〉
その発想はなかった! ……と言いたいところですが、似たようなことは私も考えたことがあります。
たとえば、日本国憲法では、国の交戦権が否定されていますが、〈地方自治体〉の武装は禁じていないのではないか、ということです。
〈地方自治体〉は「民主主義の学校である」と言われています。その長を直接選挙で選ぶわけですから、国会議員から総理大臣を選ぶような“まどろっこしい”方法よりも、民主主義の実現度が高いというわけです。
そう考えると、〈安全保障〉を〈国〉にまかせきりにするのではなく、〈地方自治体〉みずからがやってしまうというのは、ひとつの考え方であります。
「〈国〉をさしおいて〈地方自治体〉のひとつにすぎない〈都〉がでしゃばるな」みたいな言説には注意を払う必要があるでしょう。
となると、東京都が独自の軍隊を持つ──という選択肢もありそうですが、お正月は暇なので「戦争と平和」について考えてみたなどでも述べたとおり、「武力で平和を実現する」ことには無理があります。
また、尖閣諸島の問題に関していえば、地球上で起こっている戦争(紛争)は、その原因を突き詰めると、ことごとく「領土問題」になる、ということを考えると、都が尖閣諸島の一部を購入するのは、意味がないどころか有害となる恐れもあるわけです。

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