『ビー・バップ・ハイスクール』(テレビ)──登場人物の存在感に時代の流れってヤツを感じる 2004.06.27 奇遇にも、今回のテレビ版放映のことを知らずに、先日、劇場版『ビー・バップ・ハイスクール』第1弾〜第6弾を一挙に観た。で、両者を比較した場合、どうしても時代の流れってヤツを感じぜざるを得ない。べつに今回のテレビ版が荒唐無稽すぎる、ってわけじゃない。嘘っぽいのは昔からだ。気になるのは、登場人物が
『ドーン・オブ・ザ・デッド』(映画)──みんなに勧められる傑作だが原作を越えていないのが残念 2004.06.06 初っぱなから画面に引き込まれ、あれよあれよと物語が進み、エンドクレジットが出てきたときには「あれ? もう終わり?」と思ったほどだから、それだけ作品にのめり込んでいたということであって、佳作には違いない。みんなに観て欲しいとオススメできる。それでもやはりどこか《深み》が足りないのではないか、と不満を覚
『キル・ビルvol.1』(映画)──タランティーノ映画はいつの間にか「日本映画」になっていました 2004.05.30 自分を酷い目に合わせた奴らに次々と復讐していく。それを阻む者たち(子分とか用心棒とか)も殺していく。物語は実に単純明快。つまり、アクションシーンの迫力とか、役者の演技力とか、映像作品の基本的な部分で勝負しており、監督の真の能力が問われる、ごまかしのきかないタイプの映画ってことだ。これって、意
『名探偵コナン 銀翼の奇術師』(映画)──ハリウッド映画ではおなじみの「スリル、ショック、サスペンス」を『コナン』風に味付け 2004.05.18 「『コナン』の映画はおもしろいヤツとつまらないヤツが毎年交互にやってくる」という説があって、去年は「つまらないヤツ」だったから、そのセオリーでいくと今年はおもしろいはず、というのが今作に対する先入観。実際は、去年のも決して「つまらないヤツ」だったわけではなく、「生命の危機」(それも大勢の人間のそ
『美女と野獣』(映画)──「やっぱり見た目が大事?」という展開への賛否 2004.04.06 昨日の21時からフジテレビ系「ゴールデンシアター」で放映されたのを観た。もともとディズニー作品は嫌いではないのだが、基本的には子ども向けのものが多く、そのためこの作品も長く見逃していたのだ。評判も良かった作品でもあり、いい機会なので鑑賞してみた。ディズニーならではのフルアニメーションを久しぶりに
『ドラゴンヘッド』(映画)──絶望的な状況だからこそ熱い物語を 2004.04.04 突如、壊滅した日本。修学旅行中に悲劇に遭い、奇跡的に一命をとりとめた高校生の男女が一路、東京を目指す。死の灰(?)が降り注ぐ壊滅後の日本を表現した映像が素晴らしく、このような画面が日本映画として展開することに感慨を覚える。脇を固める配役もいいし、主役二人の表現力もまずまずと言えるだろう。しかし、良く
「ほんとにあった怖い話」(テレビ)──「ほん怖クラブ」は「ほんとうに怖い話」を和らげる役目を担っている 2004.02.15 オリジナルビデオ『ほんとにあった怖い話』シリーズは、大人向けのホラーである。それに対して、このテレビドラマ版は、「再現ドラマ」の合間に、「ほん怖クラブ」なる子供たちが「ホラー男優」の稲垣吾郎とともに「再現ドラマ」の解説を行う趣向で、子供向け番組のように思える。しかしながら、「再現ドラマ」の部
「トリビアの泉」(テレビ)──「トリビアの泉」に漂う“違和感”の正体 2003.10.26 個人的にも深夜時代から楽しく拝見しており、ゴールデンタイムに移ってからも、録画して見させてもらっている。つまり、私にとっては今でも“深夜番組”なのだが、深夜番組らしからぬ、ある種の違和感が最近のこの番組には漂う。これが「もはや深夜ではないのだから当たり前」と言い切れないところに問題の深さがあるわ
『呪怨2』(映画)──史上最恐のホラー、今週公開! 2003.08.17 たまには公開前の映画批評もよかろう。「史上最恐のホラー」というのは嘘でも何でもない。本当に、これまで観たホラー映画の中で最も怖いのだ。これはライター生命をかけて断言してもよい。黒沢清、高橋洋が監修に名を連ねていることに象徴されるように、ジャパニーズホラーのひとつの頂点に達する作品である。前作
『自殺サークル』(映画)──女子高生54人が集団飛び込み自殺をする冒頭が圧巻 2003.08.03 女子高生54人が新宿駅のプラットフォームから集団飛び込み自殺するという壮絶な場面から物語は始まる。女の子の身体がぐちゃぐちゃと電車の車輪に轢かれ、プラットフォームが血の海と化し、阿鼻叫喚の地獄絵図が展開する部分……よりも、飛び降りる直前まで全くの日常風景が描き出される方が実は怖い。別に悲壮な表情