『逆境無頼カイジ 破戒録篇』──黒崎義裕のキャスティングに度肝を抜かれた! 2011.05.07 5月3日の放送分で、帝愛のナンバー・ツー黒崎義裕さんが登場しました。黒崎さんは原作では、大槻班チョーの“常勝のしくみ”、そのポイントを読者に解説するという重要な役割を負っていましたが、前シリーズの利根川先生と異なり、いかんせん出番は多くありません。なので、(こういっちゃ失礼ですが)黒崎さんのキャステ
『もしドラ』のあとに真反対の『カイジ』を観るという幸せ 2011.05.03 プロダクション I.Gによる『もしドラ(もしも高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら)』を観たあとに、マッドハウス制作の『カイジ』を観ると、両者のあまりに対照的な作風に、味わい深さを感じてしまいます。パッと見の印象はまったく異なる2作品ですが、実は「勝ちの仕組みを作る
『逆境無頼カイジ 破戒録篇』──大槻班長のキャスティングに敬意を表したい 2011.04.16 新作アニメを見るときの楽しみのひとつに「このキャラクターの声優は誰がやるのか」というのがあります。今回の“チンチロリン”篇でいえば、大槻班長がその注目すべき人物にあたるでしょう。自分なりに、大槻班長の声優を勝手にキャスティングしたりしていたのですが、どうもしっくりこない。表面的な物腰はや
『レベルE』──見た目は違和感があったがストーリーの面白さがそれを打ち消してくれた 2011.04.16 「なぜ今されコレを?」と突っ込んでしまいたくなるほど懐かしい作品のアニメ化でしたが、おもしろかったので結果オーライでしょう。原作のゴチャゴチャした線がリファインされて、見た目の印象の違いに最初はとまどいましたが、「こういうもんだ」と思えば気になりません。(一部、リファインされていない、原作の絵柄
『あらびき団 第2回本公演』──笑いのインフレに注意 2011.03.19 いつの間にか、楽しんご♡氏がメジャーになっていましたね。ただ、笑いのインフレ率というはすさまじく、消費のしすぎは寿命を縮めることにつながるので注意したいところ。その意味で、「トツギーノ」を、いわば株価の上昇中に売り抜けたバカリズム氏はご慧眼と言えましょう。以上は、このDVDの内容とはあま
バレた場合よりバレなかった場合のリスク──“ザ・カンニング問題” 2011.03.05 今は昔、『ザ・カンニング』というフランス映画があってだな、いいとも青年隊が……などと書き始めたんだけど、「デスマ」終了直後で消耗しきっているので、今回はたしなむ程度に。入試のカンニング問題に関しては、「これって、〈カンニング防止〉という試験監督業務の怠慢を隠蔽するために、むりやり犯罪に仕立てあげてな
『ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない』(映画)──これはなかなかの問題作かもしれない 2011.01.29 物語の主人公はプログラマーなわけだが、職業はちがっても、下請け会社、孫請け会社に務めている人(つまりはほとんどの勤め人)は大いに共感できるはずだ。その意味で、誰もが楽しめる、よく出来た作品であると評価できる。「徹夜作業」「サービス残業」「休日出勤」というとゲンナリだが、「デスマ」(死の行進:
『屍鬼』(アニメ)──魂を吹き込まれ甦った者の哀しみも蘇る 2011.01.10 屍鬼に血を吸われた者は、魂を吹き込まれ、「起き上がる」。「アニメ化する(animate)」とは、「生命を吹き込むこと」。甦った村人たちの悲哀もより強くなり、小説やコミック以上に観ている者の心を揺さぶる。
『インセプション』──物語や設定の独創性ではなく映画のたたずまいを凡庸にしたところがよい 2011.01.08 まずは、この映画を観ながら頭に浮かんだ作品を挙げてみよう。非現実の世界でドタバタするのは、誰もが『マトリックス』を連想するだろう。夢の世界を登場人物たちが共有するというのは『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』だ。ターゲットの潜在意識に入り込むというのは、『宇宙船レッド・ドワーフ号』に
お正月は暇なので「戦争と平和」について考えてみた──1日目:『プレデター』 2011.01.01 お正月のように、普段の喧騒を離れ、まるで悠久の時間が流れているような、そんなゆったりとした精神状態のときには、せわしない日常では思い至らない、大局的かつ抽象的なことがらに思いを巡らせるのに絶好の機会となります。で、新年は「戦争と平和」という大仰なテーマに取り組んでみることにしました。 (さら