『ステイ』(映画)──鑑賞終了30分後に真価が発揮される“時限爆弾”的感動が魅力 2006.11.26 この作品を見る前に入手した情報──。 観る前にオチを知ってしまうと面白さが半減する ラスト5分、そのオチがわかったところで感動する(1)はともかく、「感動するよ」と謳われている映画を見て素直に感動できるほどお人よしじゃねんだよ、こっちは──と思いつつ、鑑賞開始。全編、意味不明
『グロヅカ』(映画)──一見、安直──だが中身は真摯な制作姿勢に好感が持てる良質ジャパニーズ・ホラー 2006.11.25 猟奇的殺人事件があったらしい場所で、その猟奇的殺人をモチーフに映画を撮ろうとした女たちが、次々と殺されていく──。設定、あらすじからして、どこかで見たような、ありふれたホラーを連想させおる。じゃが、「どこかで見たような」恐怖を味わいたくてこの作品を観ている、という気持ちがあることも否めん。そ
『ぷるるんっ!しずくちゃん』(テレビ)──アニメ版のオリジナルキャラクターはあの大御所ツッコミ役と同じ役回りだった 2006.10.21 いやあ〜、アニメってスゴイな。 原作の絵本では、「しずくの妖精」→「しずくの形をした水色のキャラ」→「しずくちゃん」「香水の妖精」→「ピンク色の女の子キャラ」→「うるおいちゃん」「鼻血の妖精」→「いつも鼻血を垂らしている赤色のキャラ」→「はなぢくん」「汗の妖精」→「いつも汗をかいている食いしん坊キャ
『サイレン』(映画)──ゲームを知らない人にわかるかな? わっかんねえだろうなあ…… 2006.02.28 小説やマンガに比べ、テレビゲームを映画化するのは、やっぱり難しいんだろうなあ、とこの映画を見て思った。といっても、この映画版『サイレン』が駄作というわけではない。テレビゲームというのは、〈遊び〉と〈世界観〉の2つの要素から出来ている。『サイレン』で言えば、「敵に見つからないように脱出する」という
『輪廻』(映画)──清水崇の最新作は《並列的恐怖》ではなく《直列的恐怖》だった 2006.01.09 途中まで「こりゃダメかな」と思った。「ダメかな」というのは、つまらん、駄作、失敗作ということではない。『劇場版 呪怨』やハリウッド・リメイク版のように「ホラー初心者向け」「より多くの人が楽しめるエンターテイメント作品」のこと。すなわち、ワシのような“プロのホラーマニア”としては不満の残る作品のことだ
『フォーガットン』(映画)──結末はけっして“どんでん返し”ではない 2005.12.12 あははは。本作品のレビューをネットで検索してみると、出るわ、出るわ、非難の嵐。まあ、あの“転換”のさせかたは、腹を立てる人がいても不思議ではない、というのは認めるけど。この作品の宣伝や批評をする際、よくシャマラン監督の作品が引き合いに出される。シャマラン作品は、たしかに“最後のアッと驚く大ど
『宇宙戦争』(映画)──スピルバーグの本領が凶悪な方向に発揮された 2005.11.20 スピルバーク監督の「異星人もの」といえば、ご存知『E.T.』という映画がございます。しかし、わたくしはどちらかというと、同じ時期に公開された『遊星からの物体X』という作品のほうが好きでございまして、つまり「エイリアン」を扱うなら、生温い内容ではなく、徹底的に悪者として描いてほしいというわけでございま
『ソウ2』(映画)──そもそも別の映画だったという事実をどう評価するか 2005.11.20 「なぬ? 『ソウ』の続編? そんなもん、作れるんかいな」というのが、予想をはるかに越える早さで公開されたこの映画の存在を知ったときの感想だ。前作は、博打のようなワン・アイディアが最大の魅力であり、二番煎じなど絶対に許されぬ作品だ。とくに残された謎があるわけではないし……というより、物語のなかで、
『ランド・オブ・ザ・デッド』(映画)──ただのゾンビ映画ではないことは先刻承知。ではプラス要素とは? 2005.09.11 世の中にはびこるゾンビ、ならぬゾンビ映画やゾンビゲーム。それらの基礎となる「ゾンビ」の概念を最初に創造し、その本質をもっとも知り尽くした監督が作ったゾンビ映画の決定版だ。「ゾンビが出てきて、ああ怖い!」などという映画でないことは、ロメロ作品をひとつでも観たことのある者ならば先刻承知なのであるが、
『ノロイ』(映画)──ホラープロデューサー・一瀬隆重の最新作は意外にも伝統的恐怖だったが…… 2005.08.21 一瀬隆重氏がこれまでプロデュースしヒットした『リング』『呪怨』といったホラー映画は、「演出」がキモの作品だ。つまり観ている人は、あくまで嘘、作り物としてこれらの映画を楽しんでいる。しかし、本来ジャパニーズホラーといえば、「心霊実話もの」という言葉に象徴されるように、虚構と現実の狭間を巧みに行き来