『SIREN(サイレン)』(ゲーム)──ゲーム黎明期のパズルゲームのような雰囲気が漂うホラーアクション 2004.03.28 ゲーム 主に週末だけのプレイだったとはいえ、クリアするのに3ヶ月もかかってしまった。こんなことは最近では珍しい。長い付き合いだっただけに、言いたいことはいろいろあるのだけれど、今回は1点だけ述べておきたい。それは「何だか懐かしい香りのするゲーム」だということだ。敵の行動パターンを解析し、攻略法を
dream「I love dream world〜世界中のしあわせを歌おう〜Promotion Video [ver.3]」(DVD)──バージョン1〜2は何だったのさ? 2004.03.21 音楽 「バージョン3って何だよ、しつこいな」と思いながらも、ついつい観てしまうのがファンの性。でも、その甲斐はやはりありましたぞ。バージョン1・2とは、比べ物にならない……というより「最初からこっちにしてくれよん」という出来栄えになっている。楽曲はもちろん同じで、一見するとやってることはほとん
「ほんとにあった怖い話」(テレビ)──「ほん怖クラブ」は「ほんとうに怖い話」を和らげる役目を担っている 2004.02.15 映画・テレビ オリジナルビデオ『ほんとにあった怖い話』シリーズは、大人向けのホラーである。それに対して、このテレビドラマ版は、「再現ドラマ」の合間に、「ほん怖クラブ」なる子供たちが「ホラー男優」の稲垣吾郎とともに「再現ドラマ」の解説を行う趣向で、子供向け番組のように思える。しかしながら、「再現ドラマ」の部
後藤真希『シングルVクリップス(1)』(DVD)──やってることは派手なのに表情は淡泊 2004.01.11 音楽 「ごっちんは、ナチュラルなところが魅力」と言ったのは、確か杉作J太郎氏であった。これはなかなか卓見だと思う。そう。まさにナチュラル。自然な演技。というより無表情。やってること(演出)はけっこう派手でセクシーなのに、表情は淡泊なのだ。計算高くないというか。その意味では松浦亜弥なんかとは対極に位置し
安倍麻美『wishes』(CD)──アイドルによる歌謡曲の歴史を継承した一枚 2003.12.21 音楽 これは珍しい。何かと言えば「歌が下手なこと」である。最近は昔と違って、アイドルと言えど、それなりに“聞かせる”ものだが、ここまで「下手」と評価できる例はとても珍しい。「お姉さんに歌ってほしかった」と思わせる楽曲がいくつもある。となると、このCDは やっちまったかと言えば、そうではない。そ
「トリビアの泉」(テレビ)──「トリビアの泉」に漂う“違和感”の正体 2003.10.26 映画・テレビ 個人的にも深夜時代から楽しく拝見しており、ゴールデンタイムに移ってからも、録画して見させてもらっている。つまり、私にとっては今でも“深夜番組”なのだが、深夜番組らしからぬ、ある種の違和感が最近のこの番組には漂う。これが「もはや深夜ではないのだから当たり前」と言い切れないところに問題の深さがあるわ
根岸泉『誰にも言えない 特撮映画の舞台裏』(書籍)──「大変だけど楽しい」と思いたいときに読みたい本 2003.09.07 書籍・雑誌 2か月ほど前、年末に公開される『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』の特撮スタジオを取材した。そこで抱いたのは「特撮映画を作るのって、根気のいる面倒な作業だな」という、文字にすると非常に薄っぺらい感想であった。本番が始まるのを待つこと2時間。カメラが回っていたのは10秒ほど。しかもNG。ドッと疲
『呪怨2』(映画)──史上最恐のホラー、今週公開! 2003.08.17 映画・テレビ たまには公開前の映画批評もよかろう。「史上最恐のホラー」というのは嘘でも何でもない。本当に、これまで観たホラー映画の中で最も怖いのだ。これはライター生命をかけて断言してもよい。黒沢清、高橋洋が監修に名を連ねていることに象徴されるように、ジャパニーズホラーのひとつの頂点に達する作品である。前作
dream『dream live 2003〜dream world〜』(DVD)──意外にも旧dreamの路線が受け継がれていた最新ライブDVD 2003.08.10 音楽 「今年のライブはミュージカル仕立て」というのを聞いて予想したことは、「MUSIC IS MY THING」のプロモーションビデオをさらに大げさにした感じの“軽薄路線”であった。もちろん、“軽薄”自体は非難に値しない。われわれはすでに路線変更を受け入れているのだし、“軽薄”であることが直ちにライブ
『自殺サークル』(映画)──女子高生54人が集団飛び込み自殺をする冒頭が圧巻 2003.08.03 映画・テレビ 女子高生54人が新宿駅のプラットフォームから集団飛び込み自殺するという壮絶な場面から物語は始まる。女の子の身体がぐちゃぐちゃと電車の車輪に轢かれ、プラットフォームが血の海と化し、阿鼻叫喚の地獄絵図が展開する部分……よりも、飛び降りる直前まで全くの日常風景が描き出される方が実は怖い。別に悲壮な表情