『g@me.』(映画)──東野圭吾のテイストを忠実に再現 2004.07.25 映画・テレビ 「妾の子供ゆえにすさんだ性格」というキャラクターを演じる仲間由紀恵を見て、「なんか品がありすぎてリアリティがないな」と思いながら見ていると、終盤しっぺがえしを食らう。「品」の良さは仲間由紀恵の計算だったというわけだ。ストーリーよりもそっちの方がびっくりだ。東野圭吾の作品はほとんど読んでいるつもり
『渋谷怪談』『渋谷怪談2』(映画)──『呪怨』にゆかりのある監督だからといって物真似はいけない 2004.07.18 映画・テレビ 予想以上に“怖い”仕上がりになっている。ということは、日本のホラーの本流に位置する作品ということであるが、キャラクター造形、恐怖演出の面から見て、どうしても「これじゃ『呪怨』だよ」という思いは拭えない。『呪怨』のことは『呪怨』に任せておけばいいのであって、わざわざ別の作品で『呪怨』をやることはな
『サイレントヒル 4 ザ・ルーム』(ゲーム)──ホラーゲームとしては佳作だがシリーズ最新作としては…… 2004.07.11 ゲーム ホラーゲームとしては悪くない。不死身の敵「ゴースト」や、絶対安全だと思っていた場所が実はそうではなかったというどんでん返しなど、新鮮な恐怖の感覚を提示してはいる。だが、この「新鮮な恐怖の感覚」というのが問題なのだ。新機軸を打ち出した代わりに、シリーズを特徴づけていたもの(霧の立ち込める町の徘
『ビー・バップ・ハイスクール』(テレビ)──登場人物の存在感に時代の流れってヤツを感じる 2004.06.27 映画・テレビ 奇遇にも、今回のテレビ版放映のことを知らずに、先日、劇場版『ビー・バップ・ハイスクール』第1弾〜第6弾を一挙に観た。で、両者を比較した場合、どうしても時代の流れってヤツを感じぜざるを得ない。べつに今回のテレビ版が荒唐無稽すぎる、ってわけじゃない。嘘っぽいのは昔からだ。気になるのは、登場人物が
『ドーン・オブ・ザ・デッド』(映画)──みんなに勧められる傑作だが原作を越えていないのが残念 2004.06.06 映画・テレビ 初っぱなから画面に引き込まれ、あれよあれよと物語が進み、エンドクレジットが出てきたときには「あれ? もう終わり?」と思ったほどだから、それだけ作品にのめり込んでいたということであって、佳作には違いない。みんなに観て欲しいとオススメできる。それでもやはりどこか《深み》が足りないのではないか、と不満を覚
『キル・ビルvol.1』(映画)──タランティーノ映画はいつの間にか「日本映画」になっていました 2004.05.30 映画・テレビ 自分を酷い目に合わせた奴らに次々と復讐していく。それを阻む者たち(子分とか用心棒とか)も殺していく。物語は実に単純明快。つまり、アクションシーンの迫力とか、役者の演技力とか、映像作品の基本的な部分で勝負しており、監督の真の能力が問われる、ごまかしのきかないタイプの映画ってことだ。これって、意
『名探偵コナン 銀翼の奇術師』(映画)──ハリウッド映画ではおなじみの「スリル、ショック、サスペンス」を『コナン』風に味付け 2004.05.18 映画・テレビ 「『コナン』の映画はおもしろいヤツとつまらないヤツが毎年交互にやってくる」という説があって、去年は「つまらないヤツ」だったから、そのセオリーでいくと今年はおもしろいはず、というのが今作に対する先入観。実際は、去年のも決して「つまらないヤツ」だったわけではなく、「生命の危機」(それも大勢の人間のそ
小野不由美『屍鬼』(書籍)──ゲーム『サイレン』の何倍も怖いホラー小説 2004.04.25 書籍・雑誌 三方が山に囲まれ外界との接触をほとんど断っている村。土葬にした死者が墓から「起き上がり」、村人を襲う──。「なんだ、これでは『サイレン』(プレステ2ソフト)ではないか?」と声を上げるも、もちろんゲームの方がこちらをヒントにしている。とはいえ、文庫本全5冊にわたり描かれる「屍鬼」と人間の戦いの
『美女と野獣』(映画)──「やっぱり見た目が大事?」という展開への賛否 2004.04.06 映画・テレビ 昨日の21時からフジテレビ系「ゴールデンシアター」で放映されたのを観た。もともとディズニー作品は嫌いではないのだが、基本的には子ども向けのものが多く、そのためこの作品も長く見逃していたのだ。評判も良かった作品でもあり、いい機会なので鑑賞してみた。ディズニーならではのフルアニメーションを久しぶりに
『ドラゴンヘッド』(映画)──絶望的な状況だからこそ熱い物語を 2004.04.04 映画・テレビ 突如、壊滅した日本。修学旅行中に悲劇に遭い、奇跡的に一命をとりとめた高校生の男女が一路、東京を目指す。死の灰(?)が降り注ぐ壊滅後の日本を表現した映像が素晴らしく、このような画面が日本映画として展開することに感慨を覚える。脇を固める配役もいいし、主役二人の表現力もまずまずと言えるだろう。しかし、良く